和泉守兼定(刀)は粋だった
刀剣乱舞というゲームに熱を上げてます。
運がいいと自称してるわたくしですが、テニスの王子様のリズムゲーム「RisingBeat(ライジングビート)」のガチャの引きがすこぶる悪くて、ガチャを引くドキドキ感は味わえても、充実感や満足感が全く得られず、モヤモヤしていました。
そもそもテニラビはリズムゲームなので、課金しなければ毎日ガチャすることができません。それでも、ガチャ引きたい欲が抑えきれなくなり、いよいよやばいぞという状態に。
リアルマネーが絡まず、狂ったようにガチャを引けるゲーム…アイドルゲーをダウンロードして初回のガチャだけ引きまくるか…?とまで考えたところで思い出しました。
そうだ、刀剣乱舞だ。
刀剣乱舞は刀剣男士をゲットして育成するゲームです。ポケモンを想像して頂ければだいたい合ってる。
リリース直後に友達が始めており、「じじい出ない!狐も出ない!!*1資材がない!!」などど言ってました。
調べてみると、鍛刀するための資材は、審神者(プレイヤー)レベルに応じて自然回復するとのこと。
こりゃ毎日ガチャ引き放題じゃん!!と思い、刀剣乱舞を始めたところ、すっかりハマって今に至ります。
なお、この時のデータが消失したため、今の本丸は2代目です。この度審神者歴2ヶ月になりました。こんなにハマる予定なかったんだ(常套句)
で、刀剣乱舞の情報のまとめを見ていた時に、目に飛び込んできた。
「土方歳三館佩刀 和泉守兼定 岐阜県博物館の「兼定展」に出展」
へ~どこでやんの?岐阜県?はー遠いなあ。期間は6月2日から24日ねふ~ん。
6月13日、ワイ名古屋にいる。
夜公演だから泊まりだし、次の日観光で行けるじゃんコレ!?えっえっ愛知と岐阜って近いでしょ!?高速バス使って名古屋から1時間半で行ける…1時間半か………よし行こう。
そんな訳で行ってきました。ここまで前置きです。
- 特別企画展「兼定 刀都・関の名工」
- 「兼定」とは?
- 土方歳三が持っていた、和泉守兼定(刀)とは
- 和泉守兼定(刀剣男士)
- 当日の話
- 特別展「兼定」
- 兼さん(本体)と初対面
- 刀剣男士の和泉守兼定
- 兼定展に行って
特別企画展「兼定 刀都・関の名工」
和泉守兼定が展示される場所は、岐阜県関市にある、岐阜県博物館です。
公式サイト → 特別企画展「兼定 刀都・関の名工」 | 岐阜県博物館ウェブサイト
※展示はすでに終了しています。
チラシはこちら。
(引用:特別企画展「兼定 刀都・関の名工」 | 岐阜県博物館ウェブサイト)
私の目的である、土方歳三の愛刀は、裏面の右下に載っています。
「兼定」とは?
室町時代、美濃・関で発展した刀工と、後裔に当たる会津兼定をまとめて兼定と呼びます。
関兼定は初代から3代まで、会津兼定は数えの関係で、全部で11代目とも12代目ともいわれています。
和泉守とは賜った名前であるので、関兼定2代目通称之定と、会津兼定11代目(12代目とも)の二人のみ、和泉守兼定と名乗ることができます。
土方歳三が持っていた、和泉守兼定(刀)とは
土方歳三は、寸違いで複数の和泉守兼定を所持していたという説があり、現存している和泉守兼定はその内の一振り。
和泉守兼定(刀剣男士)
【刀剣男子 紹介】
— 刀剣乱舞-本丸通信-【公式】 (@tkrb_ht) December 5, 2014
『和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)』cv.木村良平
「使えりゃいい、って連中とオレは違うからな」http://t.co/204cjBYouU #刀剣乱舞 #とうらぶ http://t.co/M8CUMi7XDB pic.twitter.com/0lxVvVgTd7
【刀剣男士 紹介】
— 刀剣乱舞-本丸通信-【公式】 (@tkrb_ht) November 25, 2014
『和泉守兼定』小粋な格好をしている彼は見た目と実力のどちらも極めている。
少し短気なところも。
堀川国広との赤いピアスは相棒の証でしょうか…少しラフな和泉守さんをお届け!]ω`*) #刀剣乱舞 #とうらぶ pic.twitter.com/z1gbKyfOpB
新撰組副長 土方歳三が愛用したと言われる打刀。
美と実力の両立をテーマとして生きている。
気が短いのは元の持ち主のせい。
愛称は、兼(かね)さん。
同じく土方歳三の脇差・堀川国広が兼さんと呼んでることから、こう呼ぶ人が多い。やったよ兼さん!
刀剣乱舞の和泉守兼定は、11代目12代目のどちらが作刀したか断定してません。さらに、土方歳三が複数の和泉守兼定を所持していたという説から、「土方歳三の佩刀・すべての和泉守兼定の集合体」であると解釈しています。
なので今回の展示される和泉守兼定も、「土方歳三が使ってた和泉守兼定(複数)の内の現存してる一振り」 となります。
当日の話
御園座の真ん前にバス停があり、そこから乗車しました。朝一のバスで行けば、2時間半くらいかかけてゆっくり鑑賞できるな~♡なんて思ってました。この時までは。
過去形なところでお察し、バスに乗り間違えた。
だって既定の時間通りにバスが来たんだもん…確認しないでそのまま乗っちゃったんだよ…。
途中で「これほんとに目的地に行くのか?」と心配になった通り、 全然知らないところで終着しました。
そのまま名古屋行のバスで戻ったけど、帰りの時間は決まってるし、もう行くの諦めるか…?と半泣き。
でも、初めての刀剣鑑賞は兼さんがいいし、名古屋まで来て兼さん見ずに帰るのも…ってことで強行しました。
どれくらい強行だったかというと、鑑賞時間約20分。
いやほんとは30分ちょっとあったんだけど、バス乗り場から岐阜県博物館入口まで徒歩5分かかるし特別展は4Fだから、実質20分しか見られなかった。自業自得です。
時間かけてゆっくり鑑賞する、雅な計画だったんだけどなあ…。
特別展「兼定」
博物館入口から高まる~!!
短剣・脇差・打刀・太刀・剣・槍の写しを含め、全部で48振り。
入口から順に、おおよそ作刀が早い順に陳列されてました。
刀の鑑賞ポイントの資料や、その刀の説明が書かれたか解説板の充実してて、初心者にもやさしかったです。ほんとゆっくり観たかった。
15分ほどかけて、一番評価が高い兼定二2代目(之定)や兼さんを打った会津兼定11代目の刀を鑑賞。
兼さん(本体)と初対面
兼さんは入ってすぐの一番目立つところに、ガラスケースに入った状態で鎮座していて、360°まじまじと見ることができました。
まず和泉守兼定を鑑賞したとき。
ピンと張りつめた空気を感じる。というのが、一番初めに思ったことです。
拵えや鞘があればまた印象は違ったかもしれませんが、引き締まった気を纏いながら、ギラリと輝く。
兼さん(本体)は、血や泥にまみれた中から、ギラギラと鋭く光る鉄のイメージが浮かび、間違いなく実践刀として、激しい戦いの中を生きた刀だと感じました。
華やかとか煌びやかとか、そういう言葉は思い浮かばなかったですね。他の刀を見た時は思ったけど。
刀の銘も 和泉守兼定 と、とても美しい文字で彫られていました。楷書体みたいな、読みやすくてバランスの取れた美しい字。
2代目兼定(之定)の刀は、悪く言えばヘタ、よく言えば味がある字が彫ってあるので余計にそう感じました。
チラシの表面のトップ、之定が打った和泉守兼定なんですけど、全然読めない。
これで「和泉守兼定作」と読むんですって。
刀の美しさとのギャップがすごい。
兼さん(本体)をじっくり見て感じていたら、「粋」という言葉が浮かんできました。
激しい動乱を潜り抜けた強靭な刀でありながら、銘の彫りは美しい。
実用の美の上に、見た目の美しさがあり、両方のバランスが絶妙。その様を、粋だと感じたんだと思う。
刀剣男士の和泉守兼定
兼さん(男士)のキャラメイクのバランスはすごい。
初見でお公家さんの刀かな?と見間違えたほど美しい見た目なのに、口を開けば江戸っ子口調で気のいいあんちゃんだし
軽傷ですぐキレる割に、真剣必殺は低い静かな声で恐ろしいこと言うし
喜んで戦いに行くけど、他の奴らと一緒にするな、手入れに気をつけろというくらい誇り高くて
かと思いきや、放置ボイスで「オレに見惚れてる?」聞くくらいこざっぱりした色気がある。
見た目だって、片方だけ三つ編みってなによ、めちゃめちゃ愛らしく感じるのに、体付きは逆三角形で筋肉ムキムキだし、顔だけ見れば中世的な美しさがあるのに、身長186cmの美丈夫だし。
兼さんって、二つの相反する要素を兼ね備えていて、それぞれが絶妙なバランスで引き立てあってるんですよね。
「実用一辺倒じゃ華がねえ。見た目だけじゃ話にならねえ。その点オレはどっちも備えている。」
これ兼さんの口上なんですけど、まさにそれ。そのまんま。
「備える」っていうのが、またいいですね。自分自身を備えるっていうのが、道具っぽくあり、まさに実用性のある刀の台詞。
兼さんは自分のことを「侍の時代の終わりの、その最先端だった」と評しています。終わりの最先端っていうのが、ここもまた相反してますが、対極の性質が同じ土壌の上で矛盾なく成り立っています。
かっこよくてつよ~い刀、それが和泉守兼定。兼さん……。
兼さん相反する要素を持ってるから、一言で何と表せばいいのか考えつかなかったのですが、実際に本体を見て「粋だ」と感じたことで、兼さん(刀剣男士)のことを表現できるようになりました。
兼さん(本体)は粋な刀で、兼さん(男士)も粋だよ。
一見華やかとか煌びやかとか派手に見えるけど、そうじゃないんだ。
刀を実用として突き詰めた終わりの時代に作られ、実践で使われまくった刀が実は洒落た拵えをしているというのが、なんとも粋だと思うのです。
兼定展に行って
兼さんを親戚と比べながら見られたのは、すごくラッキーなタイミングでした。
同じ「兼定」というブランドの刀同士を比べてみることができたので、初心者でも「ここが違う」と分かりやすかったです。
きっと、前知識を入れてから見た方が鑑賞をより楽しめると思うけど、今回ばかりは何も知らない状態で刀を感じたかったので、素人丸出しオタク丸出しの感想ですが、これでよかったと思います。
之定の作で戦国大名・細川忠興が使っていた、ワイの初期刀・歌仙兼定はいなくて少し残念だったけど、有名な人間無骨という槍の写し見れたのは興奮しました。人間無骨って名前がすでに厨二心がくすぐられるし、形状だってめちゃイカしてるんですもん…。上のポスターにも載ってるからぜひ見てください!
時間があれば、之定の和泉守兼定とじっくり見比べたかったです。5週くらいしたかった。
ほんのわずかな時間でしたが、行ってよかったと心から思います。
初めての刀剣鑑賞が、推しの兼さんでいい思い出になりました。
また会いに行くよ!