目で耳で肌で感じた「TOP HAT」忘備録

坂本昌行さん主演のミュージカル「TOP HAT」を観劇しました。

一体いつの話かって?細けぇことは気にすんな!

今日付見てビビったけど、もう師走の下旬じゃん…「TOP HAT」観たの1ヶ月も前かよ…。

もう既に記憶の改ざんが起こってるかもしれませんが、観劇した時の感動は忘れていないぞ!という心意気の忘備録です。

全体の感想

すごくハッピーになれた。

ミュージカルスターが主役なので、劇中にショーがあり、アンサンブルさんと一体となったタップシーンは見応えがありました。

この舞台は、ラブコメディーだと知っていたから、難しいことを考えずに頭を空っぽにして、目で耳で肌でその場を体感したいなあと思って観劇したので、素晴らしかったとしか言えません。

煌びやかで美しい場所は、ハラハラドキドキする恋模様をより素敵に見せてくれる、魔法のような世界でした。

この舞台の前に見たのが「二十日鼠と人間」だったので、よりそのコントラストが鮮明に映りました。

同じ年代の話とは思えないほど、まさに「世界が違う」んですよね…観劇後に思いを馳せてしまいました。

 

「TOP HAT」は生オーケストラだったので、耳に高級品食べさせた感覚になりました。

またね、席がすごくよかったんですよ。

人によって神席って違うと思いますが、私にとっての舞台の神席は「全体が見える席」です。

2階前列めっちゃよかった。全体を余すことなく見ることができて、双眼鏡覗けば人ひとりの全体を収めることができて、なにより音響がものすごくイイ。

ショーの始まりの曲を聴いてた時、あまりに音がよくて体がとろけるかと思いました。

まだ坂本くんどころか一人も演者が出てきてなかったので、頑張って体の成形を保ちましたが。

2回以上観劇するなら近くで見たいけど、1回だけなら間違いなく全体です。

音が良い席で観劇できたからこそ、肌で体感できたところも多かったと思います。

 

役者の話

ミュージカルを見るといつも思いますが、感情を歌で表現するって美しいですよね。

怒りの感情は、時と場所を選ばないとみっともなく見える場合もあるけど、ミュージカルならそれすらも美しく、また生命力すら感じます。

感情に良い悪いはないけど、表現方法って大事だなーと痛感します。

 

女性陣は特にそれが顕著で、感情が豊かな女性はいいなと思いました。

一方男性陣、これは私の好みの話ですが、可愛い男しかいなくてめっちゃ楽しかったです。

仕事ができる男性も、家ではちょっと情けなかったり、隙があって連行されてしまったり、そういう面があるとフフッてなります。

そういう「ゆるさ」や「ゆるみ」がガス抜きのようで、余計に心を鷲掴みにされました。カーーーーッわいい!!

 

マッジ・ハードウィック(朝海ひかる

デイルの勘違いで、夫のホレスが浮気したと、これまた勘違いした時のマッジが好きです。
友人であるデイルに怒りをぶつけることなく、その場では冷静に気品ある佇まいでありながら、一人になった途端、怖いと感じるほどの鬼の形相でホレスを探すところが大好き。
感情表現は豊かだけど、公共の場で喚く訳ではなく、でも怒りは適切(?)に解消するべく動く…自分も大事にしつつもレディーとしての振る舞いも洗練されてて素敵だなあと。

そして歌がとにかく圧巻だった。
歌いだした瞬間空気が変わった。
ソロ曲あったっけ?ホレスとのデュエット曲だけ?だったのに、存在感がピカイチ。
怒りの表現をしても、それはホレスを愛しているからというのが伝わってきました。

 

ホレス・ハードウィック(益岡徹

むっちゃかわいい男性。
社長だから仕事のできる人なんだろうけど、妻には頭が上がらない姿が情けななくも愛嬌となってました。むっちゃかわいかったです。
結構弱気なことを言いつつも、弱弱しくないとは思わないバランスが絶妙でした。
あとこの人天然ですね??超絶かわいい。

ホレスがどう思おうが、マッジとはお似合いだったよ~~。
ただ、もう少しホレスが健やかな感情になるような結婚生活だといいね…と願わずにはいられません。

 

ベイツ(浅野和之

この舞台観た人なら分かってくれると思うけど、ベイツが出てくるたびに好きになりません?
この人が出てくると、何かを起こしてくれるんじゃないか?というワクワク感がありました。

デイルの情報を得るために尾行する際も、なぜか貴婦人の装いをしていたり、手段を選ばないが故に連行されたりしたのは笑いました。
冷静で主人であるホレスの命に忠実(?)に従うけど、割と我が強くて、あ~~好きです。

 

アルベルト・ベディーニ(屋良朝幸)

ナルシストで自信家なイタリア人デザイナー。この男も可愛げがあった。
色気があり情熱的なかっこいい男なのに、言動と行動がコミカル。
屋良くんは身長が164cmと小さめなので、印象が<コミカル>といえるけど、本場ではもっと背の高い男性がやってたのかと妄想しました。そしたら絵面がもっとおもしろくなってたんじゃないかなあ。

本場では英語で上演されるけど、日本語にするとなると、アルベルトが外国人と分かるように描くのはニュアンスが難しいだろうに、役付けを日本における一昔前に出てくる胡散臭い中国人のようにしたのは思わず膝を打ちました。
アイヤー!デイル美しいアルネー!ワタシと結婚するアルヨ!
ほんとにこんなこと言ったわけじゃないですけど、同じ言語を喋っているのに外国人だとわかる翻訳と喋り方よかった。
英語だとアプローチ方法が全然違うだろうに、うまいこと日本人の感覚に合わせたことが感じ取れました。ほんやくの ちからって すげー!
アルベルト宝塚版だとどうだったんだろう…。

心が小2男児なので、アルベルトが「人を呪わばケツ二つ!!」
勇ましく登場したとき腹抱えて笑いました。

この舞台で一番面白かったセリフです。帰宅して思い出し笑いするくらいすき。

デイルとジュリーの当て馬にされ、最後にフォローもなんにもなかったことに、アルベルトが一体何をしたっていうんだ…!!とやり切れない気持ちになりましたが、パンフレットを読むと、脚本家曰く「デイルに恋してる訳ではなく、自分の作品を最高に引き立ててくれるデイルが好き」らしいので、アッ…じゃあ大丈夫か…となりました。

 

デイル・トレモント(多部未華子

クール&チャーミング。スーパーウルトラベリーベリーキュート。
むっっっちゃかわいかった。かわいいの権化。
デイルは感情が表情に出る人なので、コロコロ変わる表情にかわいいが増える。


感情表現豊かで、感情が顔に出るのにクール?と思われるかもしれませんが、これは一番初め、ジュリーに苦情を言いに行くときの澄ました顔が印象的だからです。
これがあるからこそ、心を通わせた笑顔や後半の怒っていても、クールで芯があり、感情豊かな女性に見えるんです。

これ多部ちゃんの顔立ちが、演出に一役買ってます。
多部ちゃんって、顔立ちは幼いじゃないですか。子供のような愛らしさがあります。
そんなルックスだから、マジギレしても怖くないどころか可愛く見える。
マッジがマジギレした時は、これは確かに旦那は頭上がらないわ…と思える迫力がありました。
デイルはジュリーを平手打ちしても、なんかこう、包み込みたくなってしまうというか。
すごく可愛くも愛らしくも感じて、これはジュリーが諦めない理由がわかるわ~と納得しました。

ここまできたら包み隠さず言うけど、

デイルの嫌そうな顔がとにかく可愛いかったんですよ。
ジュリーが隣に座った時のあの嫌そうな顔!
距離を詰められて離れた時の、本当に迷惑ですって顔!
そんな顔が最高にかわいかったんだよ~~~!!


なんでこんなに可愛く思ったかというと、決して私の癖が歪んでるからではなく、前述した多部ちゃんの顔立ちが効いてるからです。
愛らしい顔立ちながら、嫌そうな顔をするとキリッとした目元が強調されて、高嶺の花ではなくツレない猫みたいな印象になりました。
で、そこから心を通わせて、心から二人で踊りを楽しんでる姿に、弾けんばかりの笑顔のコンボですよ。
この時点で、クール&チャーミング、芯のある女性のような印象に固定されてしまったんですよね。
後半どれだけ感情豊かでも、ベースがクール&チャーミングだから、怒ってようが現実から逃げようとしても全部が可愛く思えてしまって…。
これはジュリーがメロメロになって追いかけるのも分かり哲也、と脳内で腕組んで頷いてました。

 

ジュリー・トラヴァース(坂本昌行

坂本くんがジュリー・トラヴァースを演じるのを拝見できたことに、圧倒的感謝。

五臓六腑に染み渡る歌が聴けて、アンサンブルとの圧巻のタップシーンを見ることができて、デイルとの美しいリフトも拝見できて、喫煙シーンもあって、キスシーンもいっぱいあったし、「私が見たい坂本昌行」をだいたい見られた上に、ガッツリ堪能できる質のミュージカルでした。

歌や踊りが素晴らしかったのは言うまでもなく、ほんと<ミュージカルスター>がそこにいました。

仕事とプライベートにON/OFFがあるのではなく、タップすらも日常の一部で、求愛の行動がタップなのも、ジュリーという人の内側からの表現とありありと感じました。

この人にとっては、「I love you.」をタップで表現するのです。それが自然で日常。

まさに「世界が違う」と感じる部分でもありました。

 

ジュリーとデイルの恋愛は、コメディなんだけど日常に根付いた恋愛だったのも、すごくよかったなあと思いました。

スター同士の恋愛という非日常なんだけど、この人たちにとっては日常なんだと、視点がぶれる感じ。

自担のキスシーン見るのが初めてだったので、食い入るように双眼鏡覗いてみましたが、すっごい自然だったね。

キスシーンが自然という意味じゃなくて、舞台というか舞台の世界に調和してました。

ジュリーとデイル、お似合いよ~~~幸せで在って~~~。

 

それから坂本くんのビジュアルについて。

最初にビジュアル解禁した時、やっぱりおでこ出すとかっこよさ減るな…とド失礼な感想を抱いてましたが、ゲネプロのニュースを見て、静止画より全然かっこいいじゃん!と思い直したんです。

 

それが、それがですよ。

坂本昌行が舞台上に上がってきて双眼鏡を覗いたらですよ。

 

思っていた500倍かっこいい坂本昌行がそこにいました。

 

本当にビビりました。坂本くんのかっこよさ 紙面<テレビ<生 ってことをすっかり忘れていたので、リアルに!!!?、、、?!?!、!!!???ってなりました。

ほんと、生(特に舞台)の坂本くんは、エネルギーがありますね。

どんな役だろうが、この人も板の上の世界で生きている人間だなと思う生命力を感じます。

 

生の坂本くん見るたびにビビってたら心臓がいくつあっても足りないので、私はこのことを絶対に忘れないでください。

 

結論

歌も踊りも素晴らしかったからこそ、ここがよかったとかあまり言えないし、言葉にならないところも多いのですが、作品として本当に素晴らしかったことと、目で耳で肌で味わうことができる舞台だったよ、と書き残しておきたくて、時差1ヶ月でお送りしております。

考えちゃう舞台も好きだけど、ただただ目で耳で肌で体感できる上にハッピーになれる舞台はいいなあとしみじみ思いました。

あとはやっぱり、坂本くんの歌と踊りが大好きだと改めて思いました。 おわり